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村松 壽晴
PNC TN9410 98-044, 47 Pages, 1998/06
高速炉の炉心出口近傍では、炉心構成要素毎の熱流力特性(集合体発熱量、集合体流量)の違いから、炉心燃料集合体間あるいは炉心燃料集合体-制御棒集合体間などで冷却材に温度差が生じ、それらが混合する過程で不規則な温度ゆらぎ挙動が発生する。この温度ゆらぎを伴った冷却材が炉心上部機構各部(整流筒、制御棒上部案内管、炉心出口温度計装ウェルなど)の表面近傍を通過すると、冷却材中の不規則な温度ゆらぎが構造材中に伝播し、その材料は高サイクル熱疲労を受ける(サーマルストライピング)。特に、冷却材として液体金属ナトリウムを使用する高速炉では、大きな熱伝導率を持つナトリウムの性質から、この熱疲労に対する配慮が必要となる。本報は、高速原型炉「もんじゅ」炉外燃料貯蔵槽冷却系内の配管合流部(最大温度差110,流速比0.25)を対象として、サーマルストライピング条件を解析的に検討したものである。得られた結果は、以下の通りである。(1)主配管直管側の流速が枝管側流速の1/4と小さいため、主配管上流側に位置する90エルボによる2次流れの影響は無視し得る程度に小さい。(2)直接シミュレーションコードDINUS-3による温度ゆらぎ振幅の最大値と実効最大値との比率は約3.18であり、「もんじゅ」内包壁の健全性評価に用いた同値6.0は十分な安全裕度を持った値であったと判断できる。(3)時間平均Navier-Stokes方程式に基づくAQUAによる温度ゆらぎ振幅実効値は、DINUS-3コードによる値の約4.9倍であった。配管合流部に循環領域が現れる当該問題では局所平衡の仮定が成立せず、対流効果および拡散効果を簡略化したモデルを採用するAQUAモデルの適用上の限界が示唆された。
則次 明広; 伊吹 正和; 野口 浩二; 星野 勝明; 塙 幹男; 藤枝 清; 照沼 誠一
PNC TN9410 91-042, 500 Pages, 1991/02
本報告書は、高速実験炉「常陽」第8回定期点検期間中の平成2年2月2日から12日、及び平成2年3月12日から22日の2回に分けて実施した電源設備定期点検時のプラント操作及び経験、更に今後電源設備点検を実施する場合に考慮すべき項目等についてまとめた。今回の電源設備点検は、受電設備(常陽変電所)、一般系電源設備B 系、非常系電源設備D 系、無停電電源設備の整流装置、インバータ及び電源盤について行った。電源設備の点検は、1次・2次主冷却系にナトリウムを充填したまま炉心崩壊熱を主冷却系で除熱する状態と、ナトリウムをGL-8600mm までドレンして炉心崩壊熱除去及び予熱を予熱N2ガス系で行う状態で実施した。点検前後のプラント操作及び電源操作は直員が行い、電源操作をする時は、運管及び点検担当者が立ち会う体制で実施した。今回の電源設備定期点検のプラント操作を通して、2D-P/C特殊受電時に2S-P/Cのトリップ、及び7D-P/C特殊受電時に7S-P/Cのトリップを経験したが、運転員の迅速なプラント対応操作によりプラントに悪影響を及ぼすこともなく、第8回電源設備点検は、無事に予定通り終了した。